ケイカ -桂花-
放課後、昨日ケイに会った場所へと自然に足が向かっていた。

買い物袋を提げた主婦、制服姿の学生、人ごみの中で金髪はけっこういるけれど、あのザンギリ頭のケイはいない。

なんでケイは携帯番号もアドレスも聞いてくれないんだよ。

「いいけどー」って不機嫌に言ってから、ちゃんと教えてやるのにさ。

1時間ほどウロウロしたが、結局ケイには会えず家に帰った。


次の日も、その次の日も全く同じ事をした。

オヤジを見ると、ついケイの携帯を聞いてしまいそうになるのを、ぐっとこらえた。
< 49 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop