ケイカ -桂花-
私は、ケイに会いたかった。

悔しいけれど、そう認めざるをえない。

なぜだか分からないけれど、会いたい。

会ったところで別に楽しいわけじゃないし、なんのメリットもない。

だけど、あの金色のバサバサの髪や、だっさい服や、ぼんやりした顔の中で瑞々しく輝く目が見たい。

魔法みたいに髪を結う手さばきに見とれるのもいい。



あ、そっか、見れる方法があるじゃん。

あそこでバイトすればいい。

そうすれば、こんなとこでウロウロしなくても、堂々と行ける。

急に足取りが軽くなって走り出した。
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