ケイカ -桂花-
しばらく並んで歩き、着いた公園は私のよく知ってる場所だった。

時間を潰す為に来る、家とは逆方向の公園。

ケイと初めて会った公園でもある。

「この公園、よく来るの?」

ベンチに座りながら聞く。

「うん、たまにね。家ここの裏なんだ」

そうなんだ、じゃあ1回くらいここで会ってたかもしれない。

ケイが言っていた「運命の出会い」が一瞬よぎった。

「桂ん家は?」

「K町。知ってる?」

「あ、うん。でも全然方向違うじゃん?」

「ちょっと・・・」

「なに、もしかしてストーカーかぁ?」

宮崎は冗談めかしてアハハハッ、と笑ってるけど、あながち間違いではないから私は笑えない。

これじゃあ、言い出しにくいじゃん。

「えーと、ジュース買ってくるっ」

跳ねる様にベンチを飛び出し走って行った。

どんどん小さくなる宮崎の背中。

なんか助かった。

それにしても、足、早っ。
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