『舞桜』
「失礼します」


「…なんだ?」

ガラリと開けたドアの前に居たのは、なんとも気だるそうな教師とは思えない男だった。


「転校生の紅光 桜花です。」



「あー、お前が噂の転校生か。」

「噂?」

「そ、噂。
ここ何年も途中編入なんてできた人間いないのに試験合格して。
さらにあの志賀をのして主席ときた。

噂になんないほうがおかしいっつの。」


「……」

その志賀に更に昨晩はオムライスの入った皿たたきつけました、なんて言ったらどうなるのだろう。

否、言わないけども。

「まぁいい。これ、明日までに書いて提出する書類だ。持っとけ。

じゃ、行くぞ。」






「……何処へ?」





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