Je t'aime?
紗江子のその反応は、本当に、当たり前。
私は、ガミくんとウジェーヌの「どうした」の声も耳に入らず、
午後の授業どころでもなく、
教室中の視線を気にするどころでもなく、
ただただ泣きながら、窓の外の景色を眺めていた。
そして放課後、音楽室にも寄らず、まっすぐ家に帰った。
「…ただいま」
夕方4時。
こんなに早く帰宅するのは久しぶりのことで、ママも、
「ずいぶん早いじゃない。どうしたの」
と驚いていた。
「頭が痛いの。晩御飯もいらない。寝るから起こさないでね」
私は頭痛薬を飲んで、部屋へ向かった。