Je t'aime?
祐太は、私の質問にゆっくり答えてくれた。
「俺のこともアイツのことも好きって、そんなの普通ありえないよ」
「そう?」
「だってアイツに本気なら、俺のことなんて捨てればいい話じゃん」
「捨てればって…」
「怜奈はそんなことする子じゃないってわかってるけどね」
祐太は、あわてて付け足した。
「だからもし今日、別れ話を持ち出されたら、そのときは諦めるつもりだったけど」
祐太はそこでやっと、この話をし出してから初めて、ニコッと笑ってくれた。
「安心したよ、別れるって言われなくて」
私は、その笑顔を見て、また目頭が熱くなるのを感じた。
今日は朝から泣いてばっかりだ。
「わ、別れるなんて、そんなのあるわけないし」
またうつむき加減になりながら、私は言った。
ウジェーヌのことを「憧れ」だとは思えない。
だけど、だからといって祐太と別れるなんてことも、考えられなかった。
自分勝手でわがまま。
そんな私を受け入れてくれる祐太は、すごい。
「優柔不断だけど、ちゃんと気持ちを整理するから、振ったりしないでね」
「振るなんて、そんなのあるわけないし」
「真似しないで」
「してないし~」
もうっ!と怒る私の頬を、涙が一筋だけ流れた。
さっきみたいに凍りつくような冷たい涙ではなくて、温かい安堵の涙だった。