Je t'aime?
美術館前でバスを降りると、外はさっきよりも暑くなっていた。
「ほんの数十分で、こんなに暑くなるのかよ」
「ね~」
ハタから見ると、ガミくんと紗江子はすでにカップルのよう。
そんなに暑いならもっと離れればいいのに、と思うくらい、寄り添って歩いていた。
私とウジェーヌが、その後ろを歩く。
すると、
「ガミとサエコは、仲がいいね」
とウジェーヌがこっそり言った。
「付き合っちゃえばいいのにね」
私も、小さな声で言った。
それから歩くこと数秒。
美術館の敷地に入ったとたん、目の前の景色が開けた。