Je t'aime?
幸いにも、周辺にはいくつかレストランがあって、私たちは、そのうちのひとつに入った。
本当はゆっくりしたかったけど、あまりにも混んでいて騒がしかったし、
「とりあえず食べて、静かなところに行こう」
ということになった。
暑さのせいで食欲もなかった。
でも食べないと体がもたない!
私は冷製パスタを頼んだ。
一方のウジェーヌは、ジェルが効果を発揮しているのか、がっつりとハンバーグを食べていた。
行き当たりばったりで入った店だけど、思いのほか料理がおいしくて、これなら満足。
「出たら、どこに行く?」
待ち合わせの時間までは、まだ二時間もある。
「おもちゃがあるよ」
と、ガイドブックを見ていたウジェーヌが言った。
「おもちゃ?」
私は、向かいの席から首をのばして、逆さまのガイドブックを見た。
そのページには、たしかに【おもちゃ博物館】の文字が。
しかも、かなり近い。
「いーね!そこに行こうよ」
私たちは、ガイドブックをパタンと閉じて、レストランを出た。