Je t'aime?
「あ」
「あ、じゃねーし。なんで俺が呼んでもシカトで、ウジェーヌなら気づくのかね」
ガミくんが拗ねたように言った。
「腕を引いてくれたから気づいただけ。ガミくんまで変なこと言わないで」
ふと見ると、ウジェーヌくんの制服の袖が濡れている。
「やだ、ごめんね。濡れちゃった」
「だいじょうぶ」
「風邪引かないように、乾かさないと」
「だいじょうぶ。気にしない」
ウジェーヌくんは、ちょっと肩をすくめてニコッと笑った。
そのしぐさを見て、ああ外国人、と思った。