Je t'aime?
教室に入ると、紗江子はもう来ていた。
「おはようー」
と手を振る紗江子のもとに駆け寄ると、私は一気に話した。
「おはよう。ねえ紗江子!ウジェーヌくんって、ガミくんの家にホームステイしてるんだって!昨日教えてくれればいいのにって思わない?」
それを聞いた紗江子は、一瞬「?」の顔をした。
「ガミくんたちが席替えしたときに、先生言ってたじゃない」
「えっ?」
「あ、でも怜奈、そのときトイレ行ってたかも」
「……」
びっくりさせてやろうと思ったのに。
「なぁんだ、知ってたのか」
あまりにあっさり流されてしまった。
つまんない、と思いながらカバンを開けて、教科書を机に入れる。
「ねえねえ、そんなことよりさ」
と紗江子が後ろの席から身を乗り出して、楽しげに言った。
「今日、ウジェーヌくんの歓迎会やらない?」
「歓迎会?」
「そう。ガミくんの家で」
「…やりたい、かも…」