Je t'aime?
「え~教えてくれないんですか?」
私はおばさんの後を追いかける。
みんなも、なぜか笑いながら後ろからついてきた。
「なんで笑うの~?みんなは意味わかるの?」
「わかんな~い。調べたら教えてね、怜奈」
紗江子まで、ちゃかすような口ぶりだった。
結局そこでは誰も教えてくれなくて、私は、ウジェーヌがいなくなったさみしさと、最後の言葉の意味に対する疑問符を抱えて、石神家と別れた。
「さて、じゃあ私、祐太に電話するね」
「あ、怜奈」
「ん?」
ケータイを耳に当てた私に、紗江子は、
「さっきの言葉の意味、祐太さんには聞いちゃダメだよ」
と言った。