ナツの誘惑
どうしようもなく止められなくなりそうで
でもどこかで理性が働いて
寸前のところでオレを抑える
「ふぁーっ…溶けるかと思った」
そう言いながら満足そうにオレを見ると
那都は微かに聞こえた足音に、瞬間的に反応した
「あ、篤志っ♪」
急ぐように階段を駆け下り、オレに向けた背中がもう一度振り返ることはない
「あれ、なんで那都がここにいるんだ?」
「だって篤志に会いたかったんだも〜ん。ここによくいるって前に緒斗くんに聞いてたから」
「そっか。緒斗、サンキュ」
「いや」
篤志の上げた手に応えるように、オレも右手を軽く上げた