15才でママになった理由(わけ)
秋虫なんて絶対言わないから。



今の私の味方は秋人だけ、信じられるのも秋人しかいない。


南さんの言う事を信じてる琢哉さんなんて嫌いだ。


大嫌い。


琢磨が泣き出した。


琢磨に私の気持ちが通じたのかも。


琢磨を抱き締めて一緒に泣いた。


泣いた私の顔をじっと見る琢磨、そして、ニコって笑う。


琢磨、ありがとう。


琢哉さんが南さんと結婚したければすればいい。


でも、琢磨は渡さないから。


虐待されるのが分かっていて、琢磨を手放せる訳がない。


琢磨のママになりたいと、心から思った。


琢哉さんが南さんを選ぶなら、私が琢磨のママになる。


琢磨の叔母だから、琢磨を養子にする事も出来るはずた。


父親がいない私たち姉妹を母さんは、女手一つで育てた。


だから、私に出来ない訳がない。


「奈都ちゃんが琢磨のママになっていいかな。」


琢磨の小さな手が私の頬を触った。


琢磨、ありがとう。


南さんなんかに絶対負けない。


私が琢磨のママになるから、安心していいよ。














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