15才でママになった理由(わけ)

妊娠

母さんの部屋に行くとお父さんもいた。



いつもと違う怖い顔のお父さん。



「奈都座りなさい。気分はどうだ。まだ気持ちが悪いのか。」



「明日産婦人科に行こう。」



なんで、産婦人科なの。



母さん何が言いたいのだろ。



もしかして、私、妊娠してるの?



そう言えば生理が来ていない。



嘘だ、琢哉さんの子供を妊娠していたら、どうすればいいの。



「俺は認めないからね。中学生で妊娠だなんて、俺は認めない。」



こんなに取り乱したお父さんを、始めて見た気がする。



「落ち着いて、明日病院へ行ってから考えましょう。」



「父さんは奈都にこれ以上辛い思いをさせたくない。奈都には明るい普通の高校生になって貰いたい。妊娠していても、生むことを望まないでほしい。」




なんで、そんな事を言うの。



琢哉さんの子供なんだよ。


なんで生んではいけないの。



私が中学生だから、私が子供だから。



お腹の中に新しい命があるなら、その命を殺したり出来ないよ。




そんなこと絶対したくない。









< 254 / 320 >

この作品をシェア

pagetop