15才でママになった理由(わけ)
2 戸惑い

琢磨の存在

母さんと買い物に行くなんて、何年ぶりかな。


あれ、母さんと買い物に行った事があったのか思い出せない。


「俺も一緒に買い物に行っていいですか。仕事は昼までに終わると思うし、車で学校まで迎えに行くよ。」



琢哉さんと買い物だなんて、琢哉さんが学校に迎えに来てくれる事になるなんて、嬉しくて顔がにやけた。


ダメダメ、私の気持ちに気付かれたら駄目でしょ。


「そうだ、たまには外食しようか。」


え、本当に。


「琢磨いるのに無理だよ。」


「オムツとミルク持って行くし、泣いたら奈都が抱っこすれば泣きやむでしょ。奈都ママがいれば大丈夫。」


かあさんは平気で、そんな事言うんだから。


それに奈都ママってなんなの。


琢磨のママじゃないし、ママには絶対なれない。


「奈都ちゃんママって、俺も呼ぼうかな。」


止めてほしい。


何処かで期待してしまう自分がいた。


母さんのバカ。


琢哉さんも嫌いだ。


私の気持ちも知らないで。


琢哉さんに近づきたくても、これ以上近づくことは絶対許されない。


分かってるから。


琢磨のママにはなれない事はバカな私でも理解してるし。


お願いだから期待させないでほしい。


泣きたい気持ちを必死に隠した。







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