15才でママになった理由(わけ)
初めて乗った琢哉さんの車、ドキドキがはんぱなくて。


チャイルドシートで大人しくしてる琢磨。


その隣に母が座り私は助手席に座った。


運転してる琢哉さん素敵だ。


「奈都ちゃん、どうした。」


別に。


「琢哉さんの車初めて乗ったから、新鮮って感じ。それに琢哉さんと出かけるのも初めてだしね。」


不味かったかな。


何を話していいのか分からない。


「阿紀とは付き合って3ヶ月で結婚したし、阿紀車酔いするからあまり乗せなかった。」


又、お姉ちゃんの話。


琢哉さんの中からお姉ちゃんが消える事はない。


それでいいと思ってるのに。


「お姉ちゃんは幸せだね。こんなにも琢哉さんに思われて。」


自分で言って、泣きそうになる。


本当に涙腺が弱くなったと思う。


「奈都ちゃんにそう言われると嬉しいよ。俺が阿紀を忘れる事は絶対ない。」


胸が凄く痛かった。


分かってるけど、お姉ちゃんには申し訳ないと思っても、この思いを止める事は出来そうにない。


少しの時間だけでいいから、琢哉さんの側にいたかった。


お姉ちゃん、許して下さい。


琢哉さんには絶対告白はしないと約束します。


この気持ちはずっと隠し続けるから。


伝えてしまったら、今の関係が終わってしまう。


それだけは嫌だ。


お姉ちゃん、ごめんね。
















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