15才でママになった理由(わけ)
中学の制服はかなり目立った。


制服のまま琢磨を抱っこしたら、やっぱりおかしいかな。


「私服に着替えておいで、中学の制服で琢磨を抱くわけにいかないでしょ。」


母から渡された袋を持ってトイレに入った。


袋に入っているのは姉の服。


白いワンピースとサンダル。


姉が買っただけで着なかった服だ。


サイズはぴったり。


鏡に映る姿は絶対中学生に見えない。


長い髪をお団子にして、鞄からリップをだし塗った。


少しは大人ぽく見えても中身は子供だ。


人を好きになる事に、大人も子供もないはずだから。


私の思いは琢哉さんに一生届かないけど。


好きでいるのは自由だから。


私、笑ってるよね。


笑顔を作るのが得意で、泣きそうになっても必死に笑うんだ。


涙が溢れても笑ってみせるから。


だから、大丈夫。


無理なんかしてない。


琢磨が笑っていた。


琢磨、ありがとう。


琢磨、大好き。
















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