色つきリップ〜紅い唇〜
「大野、話、したい……」
「そう言ってまたごまかす訳?」
「え……?」
低い大野の声にわたしは息を飲む。
大野はわたしにゆっくり近付いて、
「オレが『来んな』、って言ったのに来たのはお前だろ?」
そう言って、わたしの腕を掴んだ。
『来たら、犯すぞ』
さっきの大野の声がわたしの頭の中に蘇る。
怯えたわたしを見下ろす大野。
それは、いつもわたしが不安な時笑わせてくれる大野じゃなかった。
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