色つきリップ〜紅い唇〜
 


「……大野」


わたしの膨らむ気持ちを、優しく撫でていく大野。


「大野」


震える胸を壊さないように、優しく包んでいく大野。


「……怖いの」


大野の手が止まった。


大野とわたしの視線が絡む。


目の前にいる大野は


わたしを見つめる大野は


いつもの大野じゃなくて


わたしの知ってる


大野とは違くて


射ぬかれそうなその眼差しに


足がすくむ


また涙が溢れて


止まらない





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