花言葉



待ち合わせ場所の駅前の公園に着いた頃には、時計の針は午前11時55分を指していた。


「うわ、五分前じゃん…ギリギリだ」


呟きながら公園の中にあるベンチにそっと腰掛けた。

純はまだ来ていないみたいだ。


電話しようかと思ったがさすがに迷惑だろうと思い、一度出した携帯をバッグの中へしまった。


ふと周りの様子を見てみると、近くのベンチには若いカップルが座っていた。

そのカップルは二人ともとても幸せそうに話していた。


見ているこちらまで幸せな気分になれそうだ。


それにしても、純はまだか。

腕時計の針は12時05分を指していた。


滅多に遅刻なんかしない純が来ないなんて。


でもまだ待ち合わせの時間からは5分しか経っていない。
いつもは自分が純を待たせているのだから、たまには私も気長に待ってみよう。


そう思った私は、友達から来ていたメールの返信をしながら純を待つことにした。



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