切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「そうだと嬉しいな。
でも、あたしは貴斗とはやり直さないよ。
貴斗には日向ちゃんがいるもん」
「え……?」
なんであたし?
「好きなんでしょ?貴斗のこと
あたしも同じように好きだから、だから…分かちゃった。」
なんだかバツが悪くて、
顔を伏せる。
「花火のとき、貴斗あたしには見せたことのない笑顔で笑ってた。
たぶん、少しずつ日向ちゃんに惹かれてるんだと思う。
貴斗自身は気づいてないかもしれないけどね。」
哀しそうに微笑む裕実ちゃん。
「それはないよ。
湯川、あたしのキモチに気づいてなければあたしのこと、友達としか思ってないもん」
それはそれで悲しいけど、でも今はそれでいい。
今は、今の関係のままでいいんだ。
それが心地よくて、楽だから。