切なさの距離~友達以上、恋人未満~

動揺【Takato】






何…言ってんだ?

コイツ。



転びそうになったかと思えば



「ファーストキス、いつ?」

って。


思わず日向の顔を凝視してしまった。



「あんまり見ないでよ!

あたしの顔に穴開ける気?!」


と、日向に怒られ凝視するのをやめた。


でもそれくらい驚いたから。



「いつ…だったっけ…」


思い出したくない。

でも、すぐに記憶は甦る。


あれは裕実と付き合い始めて3ヶ月経った日のことだった。


別に焦ってたワケじゃない。

流れ…と、いうか雰囲気で初々しいキスをした。


そのあとのなんとも言えない空気を俺はまだ、忘れられずにいる。



「湯川?

イヤなこと、思い出させちゃった?


その…ごめん、ね?」


日向は申し訳なさそうな目で俺を見つめ言った。





< 155 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop