切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「じゃ、軽く3周行くか」
この公園に作られたランニングコースの1周は2キロ。
最初はアップで計6キロ走る。
部活のあとだったら体が温まってるから5周でもいいんだが、まだ体操しかしてない分、いつもより少なめ。
「自分のペースで走ろう。
だから別々で。
あたしは右回り。
湯川は左回りで。」
日向はそう言ってポケットからイヤフォンを出し、走って行った。
俺も慌ててイヤフォンを耳に突っ込み、走り出す。
暑いと言ってもまだしれている。
走っていれば涼しい風をまだ感じることができる。
イヤフォンからは穏やかなテンポの洋楽が流れていて。
英語で歌、歌うのってカッコイイよな…
ギター弾けたら、それもまたそれでカッコイイな…
なんて心の中で呟く。
もうすぐ1キロ地点。
目の前に日向の姿が見えた。
相変わらず楽しそうな顔で走っている。
日向とすれ違う瞬間、
言葉では言い表せない空気が俺たちを取り巻いた。
身体がふっと軽くなる。
自然に足を動かすスピードが上がる。
なんだろう。
この感じ。
今までにないくらい気持ち良く走れてる気がする。