切なさの距離~友達以上、恋人未満~





他愛のない話をして、通話時間が30分になった頃。

俺は切り出した。



「なぁ、裕実」


『ん?どうしたの?』


「もっと…俺に、優しくしてほしいって思ってる…?」


意を決して放った一言。

だって恥ずかしいだろ?なんか分かんないけどさ。



電話の向こうで裕実がクスクス笑っている。

やっぱり聞くんじゃなかった。



「笑うなよ…」


『ごめん、ごめん。

まさか貴斗の口からそんな言葉が出てくるとは思わなくて』


確かに。

らしくないかもな。



「言われたんだよ、あるヤツに。


俺が裕実に対してみんなと接するように冷たいんだ、って知ったら


彼女が可哀想だ、って。

もっと大切にしてやれ、って。」


日向のバカ。

お前のせいで焦りながら説明するハメになっただろ。



『私は今の貴斗が好きだよ。

でももうちょっと…優しく、してほしい、かな?』






< 52 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop