____苺の季節____
頷く事も出来ないあたしに先生が問う。



「アイツお前に言って…なかった…んだな」


先生の瞳に小さく頷く。


「す、すみません……、

あたし、あたし、きちんと…頑張ります、


あたし…、あの、

いえ、し、失礼します」



そう言って立ち上がる。


丸い椅子は重さから解放されて、ほっとしたようにキッと微かに音を立てた。



「星 杏、


ダイジョウブか?」



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