山賊眼鏡餅。
平田が男らしく止めに入ったが、哀れ、オード卵にはじきとばされてしまった。


オード卵はポケットからナイフを取り出して、私の首もとに近付けた。


「おとなしくしないと切る」

オード卵はそう言うと、細いロープで私を後ろ手に縛った。

床でのびている平田も同じように縛った。


「うわっ何するんですか」

意識の戻った平田は足をばたばたさせて抵抗した。


オード卵はは、平田の足もしっかりとロープで縛った。



「そうさ。おいらがやったんだ。へへへ」


オード卵は、さも可笑しそうにそう言って笑った。


「ウルフの落し穴もおいらがあわてて掘ったんだ。よくわかったな。なにしろ時間がなかったからな。」


「さぼてんと鉛筆削りを入れるなんていかにも悪質だわ!」


「おいら、ウルフには恨みがあるんだ」


「ミミさんのこと?」


「あいつは、ミミをもてあそんで捨てたんだ」


「もてあそんだってほどでもないでしょ」


「ウルフさんは、クールなだけです!そういうところにミミさんはひかれたんです!」

平田が言う。


「うるさい!黙れ!このデブ眼鏡!」


「ぎゃふんっ」


「さて……どうしてやろうかな」

オード卵が言う。


「なによ」


「ミチコ、あんた、山賊とグルなんだよな」


「ふん」


「山賊に売り付けるのが、ローリスクハイリターンで良かったんだけどな」


「何よ」


「嫌な奴はおいらの前から消えるし、おいらの手は汚れないしな」


「汚い男!」


「しかし、今回はしかたない……。山賊も使えないとなると……」

オード卵はそう言ってナイフを見つめた。

なんという気持ち悪い男だ。
< 284 / 324 >

この作品をシェア

pagetop