山賊眼鏡餅。
トムオと別れて大学に向かって歩いていると、ゴミ屋敷の前で婆に会った。


「こんばんは」

私が挨拶すると、婆は嬉しそうに言った。


「文鳥のぴよちゃんが帰ってきたよ」


「わあ。良かったですね……あれ?帰ってきたのっていつですか」


「今じゃ」


「あれ?もしかして、影丸が、ぴよちゃん………!?」


「なんじゃ?」


「なんでもないです。急ぎますのでさようなら!」


私はそう言って、歩きだした。


「ちょっと待ってくれ!ミチコちゃん」


「なんですか」


「弟さんのこと、聞いたかい?」


「え?なんですか」


「進路を決めたそうじゃよ。お祝いしてあげなさい」


「進路?」


「ホストでためたお金で、料理の専門学校に行くことにしたそうじゃよ」


「え!そうなんだ!」


「良かったなあ」


「ありがとうございます!」


私は、そう言って、駆け出した。


思いっきり笑いたい気分だった。




トムオは、放火をしにゴミ屋敷に行った時、きっと、ぴよちゃんを見たのだ。

影丸に会って、それがぴよちゃんだということに気付いて、こっそり婆に返したのだ。


ハジメは少し悲しむかもしれないけど、婆はとても喜んでいた。


あるべきものが、あるべきところに帰る。


良いことだ。
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