「REAL」―あるアイドルの告白―

4 ストーカー

そんなファンが増えれば、ストーカーが現れてくることなんて、わかりきってたことでもあった。

最初は、マンションの場所を知られた。

住んでるところは悟られないように、なるべく近所のことなんかは、公共の場では話さないようにはしていた。

だけど、「よく行くお店」とか、「お気に入りの場所」とか、そんなラジオやテレビで話す、些細な言葉をつなげていくと、だんだんに場所が特定されていくらしかった。

彼らは、そうした小さな情報を繋げ合わせていくという、途方もなくめんどうにも思えることに、労力を惜しまなかった。


全ては、大好きな七瀬リオに、会うために。

ただ、一目でも、会うために。



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