光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「なるほどなー。」




達也君は納得した表情でうなずいている。



伸一君は「だろ?」と達也君に言いながら、笑顔を浮かべる。



あたしはというと、その場の雰囲気から一人ぽつんと残されていた。



仕方なくそのまま黙っていると、そんなあたしに気付いた伸一君が話しかけてくれた。




「佐奈は分かるか?」




伸一君がポスターをあたしの正面に差し出す。



もう一度ポスターを見てみるけど、何が「運命」なのかはわからない。



きっと、しかめっ面でポスターを見ていたことだろう。



そんなあたしを見兼ねた伸一君が、少し遠慮気味に口を開く。




「わからない…か?」



「…うん。」




あたしはしぶしぶとそう答えて、うつむいた。




何回ポスターを見てもわからないなんて、なんだか気まずい…。




そう思ったあたしの心の中には、もやもやとした気持ちが渦巻いていた。




せっかく伸一君が、あたしにも話しかけてくれたのに…。



それなのにわからないなんて、なんか申し訳ないよ…。




気分は落ちる所まで落ちきり、黙り込むことしか出来ないでいた。




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