光を背負う、僕ら。―第1楽章―
きっと先生の強い押しがなかったらあたしは、何も踏み出すことが出来なかっただろうな……。



先生が背中を押してくれた。



だからあたしはお母さんと向き合うことが出来て、今ここにいる。



そのことに関しては、先生に感謝しなくちゃね。




「それではみんな、行きますよー。」




先生の後を着いて、あたし達は歩き出した。



今、踏み出す。


未知の世界へ――。







東條学園の体験入学の流れは、他の高校の体験入学とさほど変わりがなかった。



受付けを済ませた後、大きな講堂で学校の説明を受けた。



教育方針。


東條学園の伝統と歴史。


授業や実習についての説明。


入試方法。


卒業生の実績など。



聞いているだけでも頭が回りそうになるほど、たくさんの話を聞いた。



でも、一時も気が抜けなかった。



話を聞いている限りでも、この学校の実力が伝わってくる。



授業内容を聞いていると、すごく本格的だと思った。



あたしが想像していたよりも、すごく……。





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