光を背負う、僕ら。―第1楽章―
高等部なのに大学部とさほど変わりがない練習をこなしていることも知った。



本格的で、レベルが高いと思った。



だけどそれは、“それぐらいやらないと、プロにはなれない”ということを意味している。



それをわかった瞬間、身震いした。



この世界は、本当にすごい…。



改めてそう思えたあたしは、気を引き締めて説明を聞いていた。



少しでもこの世界のことを知るために。




説明を受けた後は、校舎の案内をされた。



これも、説明に劣らないぐらい驚くものばかりだった。



順番に案内をしてもらうけど、校舎が広すぎる。



それに大学部から初等部までが同じ敷地内にあるから、校舎の数は計り知れない。



東條学園の中は、街の中に出来た新たな街みたいだった。



ましてや方向音痴なあたしは、すぐに来た道を忘れてしまう。




きっとみんなとはぐれたら、完璧に迷子になるだろうな…。




そんな一抹の不安を抱えながら、あたしは校舎の中を見て回っていた。




――この時のあたしは、何も知らない。



迷子になるなんていうちっぽけな悩みよりも、遥かに大きな悩みを抱えることになるなんていうことを。




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