光を背負う、僕ら。―第1楽章―
なのにまた、怖じ気づく自分がいた。



寒いわけでもないのに、鳥肌がおさまらない。



それぐらい何か…。


演奏がかもし出すその何かが、あたしの弱い部分を圧迫していた。




あたしはこの世界に入ることが、出来るのかな?



入るどころか、その入口にさえまだ立てていないあたし。



そんなあたしはこの演奏を聞いただけで、また目指したい世界が遠くに感じられて仕方がなかった…。




♪♪~~♪~♪♪♪――




複雑な気持ちを胸に宿したまましばらく演奏を聞いた後、静かにその演奏は終わりを告げた。




パチパチパチパチパチパチ……




自然と長い拍手が、部屋に響き渡った。



在校生の人達が全員起立して礼をすると、さらに強くて大きい拍手が、その場の人達を包み込んだ。




「みなさん、ご清聴ありがとうございました!」




指揮者である在校生がもう一度礼をしても、拍手の勢いは止まらない。



それぐらいすごい演奏だと、誰もが感じていた。





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