あなたのペット的生活
「その……私ね?好きな人がいるんだ」
結局、お約束な断り文句しか出なかった私だけど、これが本音。
最初からこう断るべきだったんだ。
私を好きだと言ってくれた佐助に、嘘やキレイゴトなんて言っちゃいけない。
それが私が佐助に出来る誠意なんだから。
もし、それで今までの友達関係が崩れてしまったとしても、しょうがないことだから。
「うん。知ってるかも」
佐助はゆっくりと芯の通ったしっかりした声で答えた。
そう。
知っていたと……。
「えぇ?!何で?!」
何で知ってんの?!
驚いて今まで見れなかったはずの佐助の顔を見ると、佐助は何事もなかったように穏やかに微笑んでいた。