あなたのペット的生活
あの頃の孝ちゃんは毎日約束を守ってくれてたなぁ。
ずっとずっと傍にいて、私を楽しませてくれてたなぁ。
今の孝ちゃんは……あれ?
今の孝ちゃんは、意地悪だけど、でも結局はなんだかんだ言いつつ、傍にいてくれてる。
なんだ。
今の孝ちゃんも昔の孝ちゃんとなんら変わってないんだ。
そっか。
変わってないんだ。
「起きた?」
ガラッと扉を横にスライドさせて入ってきたのは看護士の制服を着たお母さんだ。
「……起きた」
お母さんはベッドのすぐ傍までくると前髪を顔の邪魔にならないように横に流した。
「もうすぐ先生くるから」
優しいお母さんの声。
あったかい。