あなたのペット的生活


「腹、減った……」


よく考えれば朝飯も食ってない。

さすがに腹も減る。




「母さん、飯……」
と店にいる母さんを呼ぶ。

が、実の母親に言われた言葉は結構傷つく一言だった。




「あんた、いたの?」

「……いたよ」

「学校だと思ってご飯なんて用意してないんだけど」


「チッ」




あ〜、こんな時に乃亜がいれば……。


今すぐにでもコンビニに行かせて飯を買ってこさせるのに。



さすがに学校行ってるか。

俺は軽く溜息を吐くととりあえず顔を洗った。

口を開けばまだ少しだけ酒の匂いがする。


歯を丁寧に磨き、酒の匂いを必死に消そうとした。



ったく、誰だよ。こんなになるまで飲ませたの。


俺、飲めないってはっきり言ってたはずなのによ。



洗面台の鏡に映る自分をみると、そこには眉間にシワを寄せた顔の自分がいた。




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