あなたのペット的生活
「はい、そこまで〜」
めんどくさそうに目を細め、腕時計に視線を送る担任がやる気なさげな声を出す。
その途端、ふ〜っと息を大きく吐く声が教室のあちこちで聞こえだす。
ん〜っと大きく腕を伸ばして、チラリと窓の外を見ると、校門前に自転車を止めてしゃがみこんでいる孝ちゃんの姿を見つけた。
暑いのに、本当にわざわざ来てくれた。
背中をトントンとされ、後ろを振り向くと後ろの人たちの解答用紙が何枚も重ねて送られてきたので、自分の解答用紙を重ねてまた前に回す。
それから、もう一度窓の外へ目をやると、孝ちゃんは服の裾で汗を拭くと、ペットボトルを手にし、一気に飲んでいた。