あなたのペット的生活
好きって気持ちが膨れ上がった胸がまた膨れてパンパンになっていく。
ドキドキドキドキって鼓動が体中を走り回り、花火の振動が全身を震わせる。
じっと見つめ合っているとふと孝ちゃんの視線が地にそれた。
その時おもいっきり息を吸い込んだ。
そうなって、あ〜、今私呼吸してなかったんだと気付いた。
「もし……」
「え?」
聞き返したのは、孝ちゃんの声がやけに小さく、不安げに聞こえたから。
「もし、俺がどこか遠くに行ったら……どうする?」
遠くに?誰が?
「……ど、うするって言われても」
「そうだよな」
孝ちゃんはそれっきりうーんっと伸びをしていつものようにイタズラな笑顔をこちらに向けた。
その表情を見て、不覚にもホッとしてしまった自分がなんだか嫌だった。
「今の話は『もしも』の話だ。そう、ifの話だ」
だから忘れろ。と孝ちゃんは笑った。
笑ったけど、その笑顔はどこかひっかかって、結局、私の胸の中から消えることはなかった。