あなたのペット的生活







また10分かけておばあちゃんの家に戻ってきた。


3歩先に歩く孝ちゃんが玄関のドアを横に引いた。

ガラガラと大きな音をたてる。



孝ちゃんが一歩足を踏み入れた途端……

『パーン!!!!』



ヒラヒラと孝ちゃんの頭の上に降り注ぐカラフルな紙の切れ端。


そして、「誕生日おめでとう!!」と家族全員がクラッカーを持って笑っていた。



……そう、今日は孝ちゃんの誕生日で、私はその準備をするまでの間孝ちゃんを引きとめておく役目で、いい頃合いになったら家に帰ってくる計画だったんだ。



そんなことを忘れてしまうくらい今、頭の中はグチャグチャになっている。



「……そういえば、今日誕生日だったっっけ」


嬉しいのか、悲しいのか……このサプライズをどう受け取っているのか分からない声。


孝ちゃんはまた、はしゃぐことを演技するようにニッコリと少年のように歯を見せた。



「サンキュー」

「ほら、いつまでもそんなところに突っ立ってないで早く中に入りなさい」



おばあちゃんの声。

心の奥がじわっと温かくなるような気がした。



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