あなたのペット的生活


「ほらっ、乃亜も早く行こうぜ」


ニッコリと笑うあなたは誰?

こんなの私の知ってる孝ちゃんじゃない。


私の好きな孝ちゃんじゃない。




眼の淵にじんわりと涙が滲む。



泣いちゃだめだ。泣いちゃダメ。



一生懸命、誕生日会の準備をしたみんなが変に思ってしまう。


いつかは何処かへ行くかもしれない孝ちゃんだけど、そばにいる間はいつも通りに接しなきゃ。





「すぐ行く」

「先に行ってるぞ」



孝ちゃんはちーちゃんに腕を引っ張られ家の中へと入っていった。



「……ん」


今度は俯いて返事をした。


唇をぐっと噛み締めて涙を堪えた。


だめだ。

孝ちゃんがいなくなるって考えただけでもう……胸が苦しくなる。


ギュッと締め付けられるように痛い。




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