あなたのペット的生活
こっちとしては辞めちゃうのは本人の希望だし、反対し続けるわけにもいかないし、募集する手間も省いてもくれてるし、しょうがないから辞めることに承知したんだ。
それから、岩熊くんが本当に辞めて、こっちは少ないスタッフでなんとか、岩熊君のいう『後釜』が来るまでの我慢だって、
多少しんどくても、疲れてても、体が痛くても、働いてきたんだ。
だから君が働いてくれないとここにいるスタッフみんな、
……倒れちゃうかもしれない」
ゾクリ。
背筋がゾワ〜っと寒気が走り出す。
後ろからなにやらたくさんの視線を感じる。
が、ここは敢えて見ない。
見ちゃだめだ。
きっと、気のせいだ。
従業員一同が懇願するような目で見つめてるなんて気のせいだ。
孝ちゃん、なんてことを言ってくれたんだ。