あなたのペット的生活
どうりで必死に給料取りに行けって言ってると思った。
勝手に人を身代わりにしやがって。
ふつふつと怒りがお腹の奥底で湧き起こるけれど、何度もこのファミレスに足を運んでるから、ここのスタッフさんたちがみんないい人だって知ってるし、
何人かは顔見知りでもあるわけで断るのも可哀想っていう気はある。
確かにスタッフさんの顔は少しやつれ、目の下にクマをつくってる姿をみてると、店長さんのいう『しんどくても、疲れても働いてきた』という言葉は嘘ではないだろう。
私なんかが入ってそれが少しでも和らぐんであれば、働きたい。
そう思った。
「……わかりました。明日、履歴書持ってきます」
こうして、私は孝ちゃんのファミレスでバイトを始めたのだった。