あなたのペット的生活
私はおばさんの耳元で囁いた。
「おじさん、飲んでるの?」
おばさんはというと笑って、
「昨日の夜のがまだ抜けてないんじゃないかい?」
と言い、おじさんを家の中に引きずり上げた。
「私が店番するからあんたは寝てな。
酔っ払いに相手されるお客様が可哀想だ」
おじさんもおばさんもこの4年ですっかり元の2人に戻った。
とは言っても最近までは孝ちゃんの名前さえも禁句になっていたんだけど。
「……そういえば、乃亜ちゃん、なんか用事だったのかい?」
いつものおばさんの柔らかい声。
「うん。今日ね、学校がお昼からなんだ。
で、お母さんは仕事行ったし、昼ごはん、こっちで食べようかなって思って」
「そうかいそうかい。いいよ。ここで食べて行きなさい」
「ありがとー」
そう言って、家の中にあがる。