あなたのペット的生活


「こ、こうちゃ……」

「あ?紅茶??」



じゃなくて……。
「孝ちゃん、なんでいるの?」


前にはなかった無精ひげ姿の孝ちゃん。

髪はボサボサで伸びている。


少し変わった孝ちゃんが呆れたように笑った。


「なんでって、ここ、俺の家」

「あぁ。そうだったよね。ここ、孝ちゃんの家だもんね。帰ってくるのは当然……
じゃなくて、外国!!孝ちゃん、外国行ってたじゃない!!」



孝ちゃんは荷物を降ろすとよっこいしょっと声をかけて座った。



「そうだよ。外国に行って、帰ってきた」

これ、お土産としれっとした態度でカバンの中を漁る孝ちゃん。



「あれ?そのカバン……」

孝ちゃんが手に持ってるのは誕生日にプレゼントしたカバンだった。


「あぁ、これ?かなり気に入ってんだよ。使いやすいし」


「へ〜、そう」


ふ〜ん。

そうなんだ。



へぇ〜。


嬉しいこと言ってくれるじゃないの。



< 405 / 422 >

この作品をシェア

pagetop