あなたのペット的生活



しばらく歩いてると、見覚えのある場所に着いた。



「あれ?ここって……」


昔、タイムカプセルを埋めたところだ。





「やっと思い出したか」

コクンと頷いて孝ちゃんの方をチラリと見ると、そこには今までにないくらい特上に優しい眼差しで微笑んでる孝ちゃんがいた。



やられた。



4年たっても孝ちゃんの笑顔をみれば、ギュッと胸が痛くなる。


やっぱり好きだって実感させられる。




「前に約束しただろ?乃亜が20才になったら掘り起こそうなって」



孝ちゃんは地面に落ちている太めの木の枝を手にすると大きな木の根元を掘り出した。



そう、ちょうどここに埋めたんだ。


あの頃の自分はなんて書いたんだっけ?


私も手ごろな枝を捜して掘り起こす手伝いをする。



その間に孝ちゃんに言いたかったことがどんどん溢れるように出てきた。



4年という年月を振り返り、聞いて欲しかった話を話す。


もちろん、ファミレスのバイトの件だって文句をいうのを忘れていない。


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