あなたのペット的生活


「……孝ちゃん、私、孝ちゃんのこと好きだよ。あの時の返事、きいてもいい?」



小さい頃は当たり前のように好きだっていえてた言葉なのに、なんで大人になると言えなくなっちゃうのかな?


小さい頃の私はこんなにも真っ直ぐに想いをぶつけてきたのにね。



大人の私がいえなくてどうすんの。






「手紙、なんて書いてあった?」

やっぱりまた答えてくれないのかな?



だとしたら、もう好きなんていえないかもしれないんだけど。



この好きっていうのには相当な体力と精神力がいるんだから。


また4年後までは言えないかもしれない。





俯き、孝ちゃんに手紙を見せると、孝ちゃんはそれを読んでまた「ははっ」と吹き出した。



でしょうね。

なんかもうそうなることはわかってたよ。


どうせ、また笑うんだろうなって分かってた。


だからいいんだ。


諦めに近い溜息をついて、私は孝ちゃんのくれた手紙を読もうとした。






「乃亜〜?」


「ん??」


「お前ってば、俺のストーカー??」


「はぁっ?!なんで?!」


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