あなたのペット的生活


「だって、こんな時から好きだって言われて、今も好きだって言われたし。
そう何十年も俺のこと好きなのってある意味ストーカー……」


「一途って言ってよ!!」

「冗談だって」



孝ちゃんは目を細めて笑った。




「俺は幸せ者だなぁ〜」

「なに?急に」

「これ……」




孝ちゃんがポケットから出してきたのは白い手紙だ。


どこかで見たことのある、白い手紙。



「4年前、ばあちゃんの家から帰ってきてカバンの中みたら手紙入ってた。中見たら、ばあちゃんが
『したいことをすればいい。それが正解だ』
って書いてあった。だから俺、外国行くこと迷わなくなった。それに、お前も」


「なに?」

「本当はいってほしくないくせに、無理して行ってこいって言ってくれた。見送りまでするってわめき出した」


「……だって、それは……」


孝ちゃんが行きたいならって思って。


「うん。だから、自分の気持ちよりも俺の気持ちを優先してくれただろ?おかげで俺は思い残すことなく外国を堪能できたってわけ。
俺は幸せ者だよな」


だから……。
と小さく言うと、孝ちゃんは一歩コチラに近寄った。

< 413 / 422 >

この作品をシェア

pagetop