不良の法律~Judge Town~
「ではまだ…作戦は続行という訳ですか?」

「いや、一度引いて体制を立て直す。奪われた『手駒』を補充しないといけないからな…だからお前らは引き続き監視を続けてくれ。」

「あのぉ…私はどうすれば良いのですか?」

ここで黙って見守っていた黒髪が印象的な顔に軽い痣がある女の子が、話に割り込んできた。

「『カスミ』君だったか?君は、約束通り家に帰してあげるよ…役目をちゃんと果たしてくれたみたいだからね」

中年の男性は、妖しい笑顔を携えながら、カスミに話しかけている。その言葉を聞いたカスミは、強張った表情から一転、安心した表情に変え、深いため息をこぼした…。

「ただ、この町の住人に見つかると何かと面倒だ。迎えを用意しとくから、それまで身を隠しておきなさい…」

「はいっ!」

カスミはとても嬉しそな表情をしながら、浮かれ気味に返事を返した。そんなカスミをまわりの同世代の人間が複雑な表情で見つめている事にも気付かずに…。

そんなカスミを中年の男性が冷やかな目線で見つめているとも気づかずに…。








そして、激動の一日が終了した。
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