不良の法律~Judge Town~
ヒサジもジャッジタウンを離れる決断をした一人。それは、サヨちゃんを助けるという大義名分があっての決断だ。

自分が住んでいる場所を離れるというのは、理由があって当然の行為であって、ジン達にもなんかしらの理由があるはずなんだ。

ジンは予測していたのだろうか、すんなりと答えてくれた。

「理由かい?まぁ、大した理由じゃないんだけどね…ただ、身の危険を感じたからジャッジタウンを離れるだけだよ」

「身の危険?そんなもん、この場所に住んでいる限り、多かれ少なかれ身の危険は覚悟の上だろうが…何を今さら怖気づいているんだよ?」

ヒサジは怪訝そうな表情でジンに聞き返していた。だが、ヒサジの言う事にも一理ある。

確かに納得がいかない答えだ。

仮にもジンとゲンは、この中学生地区では最強の名を欲しいままにしてきた二人だ…はっきり言って、この二人にケンカを売る人間なんてこの中学生地区には、もうほとんどいない。

そんな二人が何に身を感じると言うんだ。

「勘違いしているみたいだねヒサジ。俺が恐れているのは、中学生地区の人間じゃない…ハヤト…君達マスター側の人間だよ」

「…何でお前が俺がマスターになった事を知っているんだ?」

俺はヒサジ以外には誰にも話していない…まさか!

「言っとくけど、盗聴器なんてつけてないからね。ただ、タレこみ情報が俺の耳に入ってきただけだから」

俺の疑心はすぐにジンが解消してしまった。つうかタレこみって誰だよ一体…。
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