不良の法律～Judge Town～

はじめは、この町で最大の規模をほこる組織…レガシーとデスとの関係修復をしようと思い、ジンの元に行こうとした。

だが、ジンとゲンは、俺が尋ねるまでもなく、みずから俺の元に来たのだ。

「やぁハヤト。朝早く尋ねちゃってごめんね…」

「俺も用があったから、気にするなよ。ところで、そっちの要件はなんだ？」

願わくば、俺の要件と同じであった欲しい。だが、ジンとゲンの格好を見て、俺の頭の中では違和感だらけだった。

何故ならジンとゲンは、トレードマークでもあるロングコートを着用していなかったから。

「要件ってほどでもないんだけどさ。この町を離れる前に、少し挨拶をしようと思っただけさ」

「っ！？…冗談だろ？」

サラッと凄い事を言ってのけたジン。この大変な時期になんでいきなりこの町を離れるんだ？

この男の考えていることは何もかも謎だ。

「冗談を言う為に、こんな朝っぱらからお前を訪ねるほど仲良くなった覚えはない…」

「ゲン…それは俺も同感だ」

相変わらず、不機嫌そうな表情をしながら、ゲンはぶっきらぼうに言ってきた。そんな俺達の様子を見ていたヒサジが、ここで口を挟んできた…。

「じゃあ昨日の今日でこのジャッジタウンを離れる理由はなんだ？それなりの理由があった町を出て行くのだろう？」