らっこの国のお姫さま
「何て暗いのきぅ…
夏の間にはこの時間ならもう朝日がガンガンであったのに…

夜が長いのは得した気分だけど、夕方暗いのになかなか慣れないきぅ…」

『姫…
こんな時間に起きたりして、年よりじゃあるまいし。』

じぃが入ってきていいました。

『それにしても姫…
そのコタツとハンテンはいただけません。
あなたはプリンセスで、らっこなのですよ?』

姫はベッドの上に置いたコタツに入ったまま言いました。

「じぃ…
私は人間です…」

『違います…!』

「いちいちうるさぃきぅょ!」

じぃは呆れて出ていきました。

姫は海を眺めるのが大好きなので、そのままランタンの光だけにして、コタツにはまり海を見ていました。

「あれ…?
…王子!
王子ぃ~!」

王子の船が着きました。

「どうしたのきぅ?」

『メリークリースマス!』

王子はそう言うと、美しい貝のネックレスをつけてくれました。

「ありがとうきぅ…」

そんな二人を物陰から飼育係が見守っていました。

王子と姫は夜にケーキを食べる約束をして、仲良くコタツで寝ました。

クリスマスイブのお話です。
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